2009/09/28

Reality Bites | リアリティ・バイツ

世間でいうと社会人数年目くらいの年齢となり、そろそろ自分の力で生きていくという現実-Reality-がきつく噛みつき-Bite-始めたくらいの時期、夢が夢想になり始め、友情、恋愛、社会生活、の様々な局面を必死にもがき生きる90年代のジェネレーションX層の若者の日常を描いた甘くて苦い青春映画。

Ben Stillerの初監督作品。1994年。

2009/09/27

Unforgiven | 許されざる者

自分の生活のために人を殺す。悪を働く者を殺す。善良な市民を殺す。ヒロイズムと非道のグレーな境界を淡々と描く作品。
ある西部の町で、売春婦が客にメッタ切りにされる事件がおこる。だが、町を牛耳る保安官は軽い罪状で犯人を釈放。怒った売春婦は、犯人に賞金をかける。賞金稼ぎで一旗あげようと若い男が、非道の名を轟かせた伝説のカウボーイを説得し賞金稼ぎをしようと目論む。伝説のカウボーイは、守るべきものを見つけリタイアし最愛の妻の忘れ形見を連れて農業を営んでいた。

1992年。Clint Eastwood監督。
日本語Wikipediaによると、「イーストウッドが、師と仰ぐドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げた「最後の西部劇」。」「イーストウッドが劇中で着用したブーツは、30年以上前にイーストウッドが『ローハイド』で実際に着用していた物である。」「イーストウッドはこの映画の脚本を製作の10年以上前から既に買い取っていた。主人公のマニーと同じ年齢になるのを待っていたのである。」とある。本当だとしたら、Clint Eastwoodの並々ならぬ思い入れが伝わってくる。

2009/09/22

マンハッタン自殺未遂常習犯 

やばい。こんなにも難解な本はかつて読んだことがない。草間彌生の芸術に触れ、ひとめぼれで大ファンになり、彼女の精神世界に興味を持ち、小説本も執筆されているということで絶版になっていた彼女の小説デビュー作である本書をAmazon.co.jpにて中古本を定価の2.5倍(!)で購入した。
だいたい章のタイトルからして「第一章 地球は宇宙の大詐欺師の頭領」「第二章 彗星の肛門ひとばんいくら?」「第三章 淋病星雲精液拒否宣言」と続く。
文体と内容も、まさに草間彌生の精神世界に入ってその感性の動きを一緒に追っていくような内容になっていて、私にはついていくのが大変だった。というか途中であきらめて巻末の解説まで飛んでしまった。逆に言うと本当に彼女の精神世界を"感じたい"人にはまさにうってつけの小説(?)である。
本書開きの紹介文には「愛と憎しみ、生と死、SEXというような人間生存の根源的要素に対する強迫観念に導かれた元少女の感性紀行ともいえるだろう。弾みの効いた軽快な文体は、知らぬ間に、我々を、ホモセクシャルな美少年たちがうごめく草間彌生の不思議の国(ワンダーランド)へと誘う(いざなう)のである。」とあるので、まぁきっとそういうことが書いてあるのだろう。でも、自力ではそこまで読解できなかった。。。まぁまた、間をおいてもう一度チャレンジしたい。
草間彌生著。工作舎、1978年。角川書店〈角川文庫〉、1984年。

2009/09/21

MEATBALLS | ミートボール

『Lost in Translation』の主役で出ていたBill Murrayの29歳のときのデビュー作。アメリカ文化特有のサマーキャンプの話。サマーキャンプ=親は子供から解放され、子供はアドベンチャラスな思い出作りができ、キャンプで子供の面倒をみる10代20代の若者(キャンプコンサルタント)も健康的に若いエネルギーを費やすことができる。なんとも健全で合理的なシステム。当初、複数のキャンプコンサルタントを中心とした話にする予定が、Bill Murrayの演技があまりにすばらしいため彼を中心とした話になったとか。(by Amazon.comの書評)。デビュー作でそんな逸話を残すとは。。
1979年。『Ghost Busters』のIvan Reitman監督。

2009/09/20

APPLESEED -EX MACHINA- | アップルシード -エクスマキナ-

士郎正宗氏のSF漫画を原作とした劇場版『APPLESEED』(2004年)の続編。サイボーグ、バイオロイドとかあんまり興味がない上に、アニメもジプリ作品が好みだったりして、はっきり言って『AKIRA』とかこの手のSFアニメって真面目に観たことがなかったけど、実際観てみるとなかなか面白かった。(なかなかとかいうとコア・ファンの方々に怒られると思いますが。)ハリウッドで制作されるような、ハイテク・近未来・対テロ戦闘のような要素で描かれる映画が生身の俳優を使う変わりにアニメーションで描かれている。という感じ。3DCGをセルアニメっぽく処理するという手法で作られているそう。観たあとに本作のことを色々調べてみて、作品世界の背景やキャラクター設定、など映画では語られていない部分も豊富に検討されていてなかなか深い。順番が逆になったけど、前作もみてみたい。
2007年。監督は、メカニックデザイナーの荒牧伸志監督。
プロデューサーは、『Face off』や『M:i:2』のジョン・ウー監督。

2009/09/19

Seven Years in Tibet | セブン・イヤーズ・イン・チベット

第二次大戦時に数奇な人生を生きた、あるオーストリア人登山家の実話に基づく話。
1939年身重の妻を国に残してアルプス登山に向かった主人公ハインリッヒは、インド北部の山脈でイギリス軍の捕虜となる。監獄生活7年目の1944年に脱獄に成功し、登山仲間とともにチベットに逃れる。当初は追い出されそうになったが、心ある高官に保護され慣れない異国での生活を始める。ある時、当時まだ14歳だったダライ・ラマ14世に紹介され、彼の家庭教師として1950年の中国紅軍に軍事制圧されるまでチベットで生活する。
ハインリッヒとダライ・ラマ14世の交流はその後もハインリッヒが死ぬまで続いたという。当時のダライ・ラマの人物像や現在のチベット自治区へと至る過程など、チベットの歴史や文化、チベット仏教を知る貴重な映画。アルゼンチンでその大部分が撮影されたというが、映画のうち20分ほどはチベットに極秘潜入して撮影されているという。どこからどこまでがチベットでの撮影か不明だが、映画にでてくるポタラ宮へのゲートや、ダライ・ラマ専用の階段など実在の建造物がしっかりと描かれている。

Wikipediaによると、中国政府はこの映画を真実に基づかないとして大いに批判し、中国支配地域へのBrad Pitt と David Thewlisの入国を無期限で禁止しているという。
1997年。原作者 は、映画と同名の自伝を書いたHeinrich Harrer(Brad Pittが演じた主人公)。監督は、フランス人のJean-Jacques Annaud監督。

2009/09/13

Accepted

大学入試に全部落ちました。滑り止めもすっかり滑りました。
周囲の「で、君はどこに行くの?」という質問に、どーっしても「
行けるところがない」と言うことができないっ。そんなとき、どうする?
主人公は、架空の学校をでっち上げ、
そこに受かったと言いふらす。嘘がウソを呼び、終いには本当に学校を作ってしまうことに。。。
最後は実にアメリカらしい方法で終結。
見終わった後に何かが残る映画じゃ全然ない。でも、もし悩みごとがあればど~でもよくなるかも。
2006年。Steve Pink監督。

2009/09/12

West Bank Story | ウェスト・バンク・ストーリー

パレスチナ・イスラエル紛争を『west side story』のパロディにして笑いで描き出し、両国のエンドレスな領土争いを滑稽に批判する短編映画(約30分)。 この問題は、他国の戦略によって生まれた哀しい問題であり、はっきり言って両者に言い分があり、こちらを立てるとあちらが立たず、結局は共存をお互いに認めるしか道はない。映画でも最後は、お互いが店を失い、協力して運営していくしかないと語りかけている。社会派コメディ。2005年。イスラエル系アメリカ人であるAri Sandelが監督。本作は、短編映画の部でアカデミー賞獲得。その他、150以上の映画祭で30の賞を獲得したとか。アカデミー賞受賞の様子は、YouTubeで見られる。

この映画の笑いの要素を楽しむために知っておくべき単語:
[ウェストバンク]
- ヨルダン川西岸地区の地域名前。両者の紛争の種の一つとなっている地域。
[分離壁(West Bank Security Fence)]
- イスラエル政府がパレスチナの攻撃を阻止するために建設した壁。しかし、その9割以上はパレスチナ側の土地に立てられているとか。
[ハマス]
- 和平交渉どころか、イスラエルの存在そのものを容認しないパレスチナ解放運動の過激派組織。2008年末頃の両国の激しい紛争を起こした当事者。
もちろん、簡単にイスラエル・パレスチナ問題の歴史をおさらいしてから観るとよりお勧め。

2009/09/08

トリノ・エジプト展 [Exhibition]

会期2009年8月1日(土)~10月4日(日)
会場東京都美術館
URL  http://www.torino-egypt.com/

上野に立ち寄ったついでに唐突な思いつきでこの展示会に行くことに。19世紀にナポレオンの遠征に従軍した外交官でエジプト学者という人が収集したコレクションを中心にスタートしたという世界屈指のエジプト博物館であるトリノ・エジプト博物館の秘蔵展示品が120点も公開されている。館内ですら動かされたことがないという貴重な展示物がはるか海を渡って日本初公開。200年ぶりにトリノの地を離れた展示物もあるとか。古代エジプトに思いを馳せるとともに、トリノの博物館に展示されるまでのストーリーや日本に運び込まれるなども想像させられて悠久の時間の流れを目の前で感じられるような展示。本物のミイラも一体あった。仙台、福岡、神戸、静岡でも開催するらしい。

2009/09/07

Along Came Polly | ポリー my love

Ben StillerとJennifer Aniston主演のラブコメ。
この二人の主演で期待値が高かったせいか、全然面白くなかった。。。残念。この映画の監督の5年後の作品『I love you, Man』はめちゃめちゃ面白かったので、この監督の成長過程の作品と思えば、まぁ納得。
『I love you, Man』のJohn Hamburg監督。2004年。
コメディ度:☆☆☆☆☆

2009/09/06

Balls of Fury | 燃えよピンポン

マイナー映画になりそうな内容なのに、メジャー品質に仕上がっている。
卓球の天才少年が屈辱の大敗を喫した後、卓球界から遠ざかり場末の芝居小屋で卓球技でなんとか食い繋いでいたところに、FBIが突然現れ、闇の卓球大会に出場することになる。出場権を得るために、中華街の卓球マスターの元で修行を積む姿は、『ベスト・キッド』にも通じる。「心を鍛えずに技だけを鍛えるのは、砂の上に城を建てるようなもの」という師匠の言葉は、いつでも思い出せるように覚えておきたい。コメディとしても上質。
『ナイト・ミュージアム』のRobert Ben Garant監督。2008年。
スポコン・コメディ度:★★★★★

Scarface | スカーフェイス

Al Pacinoの代表作。Oliver Stone脚色。
カストロ政権下のキューバからアメリカに亡命した青年が、キューバの政治犯の殺害から始めて、コカイン密売の世界でのし上がり、金も女も権力もすべて手に入れるが、最後は自滅していくという話。舞台は、マイアミ。マイアミは、南米で栽培されたコカインのアメリカ国内への入り口で、大型売買が行なわれるため大物ギャングが多いといわれる。ザ・クラシック・ギャング映画。"Say hello to my little friend!"のフレーズはあまりにも有名。
Brian De Palma監督。1983年。
ザ・ギャング映画度:★★★★★

2009/09/05

A GUY THING | オトコのキモチ

オトコのキモチを描いた異色ラブコメ。
「そんなつもりじゃなかったんだけど、」という台詞から開始できる婚約者への言い訳を並べ立ててその全部が結婚式前の6日間で実際に起こるとこんな映画になる。かも?という映画。すべてが裏目に出る主人公とその失敗を打ち合わせもなしに会ったこともない世間のオトコたちがカバーしてくれるところがちょっと面白い。
『Meet the Parents』のGreg Glienna監督。2003年。
ラブコメ度:★★☆☆☆

2009/09/03

State of Play | 消されたヘッドライン

新聞記者Russell Croweが国会議員Ben Affleckの女性スキャンダルと同時期に起こった殺人事件を追い、次々と新しい事実を発見するも、最後に大どんでん返しの思わぬ結末で終わる。ポリティカル・サスペンスというジャンルらしい。
元BBCのドラマだったものをハリウッドでリメイクした作品とのこと。キャスティングは当初Russell Croweの役どころはBrad Pittが、Ben Affleckの役どころはEdward Nortonがキャスティングされていたが、制作時期の遅れで現在のキャスティングになったとか。(by Wikipedia) Brad Pitt + Edward Nortonも見てみたいけど、Russell Crowe + Ben Affleckで充分貫禄ある演技になっている。 
2009年。Kevin Macdonald監督。