2009/10/15

Miracle at St. Anna | セントアンナの奇跡

1980年代にニューヨークで善良な市民が起こした動機不明の殺人事件の真相は、第二次世界大戦中のイタリアでの出来事に端を発していた。殺人事件を起こした彼が自宅に隠し持っていたのは、イタリア・フィレンツェのアルノ川に架かるサンタ・トリニータ橋 に作られた四季を表すプリマヴェーラ像の頭部。
時間と大陸をまたぐ事件の真相は、戦時の哀しい出来事の連鎖で血塗られていた。
1944年に実際に起こったナチスドイツ軍による560名におよぶイタリア・セントアンナでの全村人虐殺事件の生き残りの少年とその虐殺の発端となった密告者の男、そしてナチス軍と戦闘中のアフリカンアメリカンで構成されたアメリカ陸軍の第92歩兵師団、通称バッファローソルジャーと呼ばれる4人の男の人生が交差する。

同名小説を映画化したこの作品は、日本語のサイトでは一律に大絶賛されているが、英語サイトでは、反戦映画、黒人差別を描きだした、歴史湾曲など、賛否両論がある。ちょっと調べたが、セントアンナの大虐殺以外はどこまで史実なのか不明。黒人差別も師団長の白人将校の人格以外に特に描かれているわけでもない。描かれているのはただただ哀しい戦時の人間の姿。
2008年。Spike Lee監督。

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