Quentin Tarantinoが10年以上の歳月を掛けて書き上げた最高のスクリプトに、最高の役者を混ぜ合わせて、最高に美味しい映画ができました。
時は第二次世界大戦時、ナチス占領下のフランス。戦争を終了に導いたナチス全高官暗殺事件を描く。(もちろん、Tarantino流フィクション。)
全編を通して登場するSS(=ナチス)の高官、通称"ユダヤ人ハンター"と呼ばれる男ハンス・ランダが物語のキーパーソン。ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語を流暢に操り自分の職務に高い誇りを持っているこの恐怖の男を演じたのはオーストリア人のChristoph Waltz。彼自身、この4つの言語を操れる役者であまりの適役ぶりに第62回カンヌ国際映画祭では男優賞を受賞している。当初この役はLeonardo DiCaprioが候補だったらしいが、DiCaprioじゃなくてよかった。
これに、Brad Pitt演じるテネシー州なまり満開の荒くれ米軍極秘部隊長が映画に滑稽さと華を添えて、最高のエンターティンメントに仕上がっている。
ちなみに、英語タイトルのスペルが間違っているのは本意は知らないが「Tarantino流のスペルだ」と監督本人が言っているとか。
2009年。Quentin Tarantino監督。